プログラムマネージャー兼USVのコンセプトの共同開発者であるFrederik Søndergaard Hansen氏は、次のように述べています。「USVのコンセプトの特別な点は、大型の特殊な支援船の必要なく洋上の現場とやり取りする測定機器を導入でき、現場で、長期間自律的に動作し、リアルタイムに陸上へ送信され大量のデータを測定できることです。USVのコンセプトにより、新設の洋上風力発電所の年間エネルギー生産量予測の確実性を高めるのに不可欠な、データの高可用性を一貫して得ることができます。
オーステッドにより開発されたUSVのコンセプトには、洋上現場まで測定機器運搬用の支援船を必要とする従来のソリューションを超えたいくつかのメリットがあります。オーステッドのUSVは、洋上技術者のリスクを削減して安全性を高め、二酸化炭素排出量を大幅に削減し、波の高い海況でも安全に稼働できるため、作業の幅を広げることができます」
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USVコンセプトのもう1つのメリットは、洋上測定活動を実施するコストが大幅に削減される一方、USVを内部で所有し運用することでオーステッドに高い柔軟性がもたらされる点です。プロトタイプ船舶のHugin USVは、デンマークとノルウェーの海域でテストされ、北海で波が最大9mに達するハリケーンの条件下で運用されました。Hugin USVは、国際的に正式認可されたノルウェー船級協会「Det Norske Veritas」(DNV)により浮体式LiDARシステムとして認証されており、風力発電所の開発に関連する商業運用で使用できます。
「自律船舶は、オーステッドのイノベーション方法論の良い実例です。最初に、業界内の大きな流れを調べます。業界では、高品質な風速測定値と環境データを可能な限り最速で取得することが課題です。その後、デモ、テスト市場導入、商業規模の製品の市場投入という3段階の方策を適用します。つまり、小さく始めてコンセプトを実証してから、強力なパートナーシップによる連携、財政的支援、マクロ経済の潮流への逆行を通じて、広範な社内プロジェクト管理の経験と体系的な問題解決の考え方に基づき、粘り強く取り組んでいます」と、オーステッドのイノベーション部門長、Jacob Edmonds氏は述べています。
結果は良好で、オーステッドは新しいクラスのUSVの連続生産を開始しています。この新USVでは、プロトタイプから学んだ知識が組み込まれ、将来の浮体式風力発電所向けの深海での運用を含め、運用能力がさらに拡大されています。新USVは、Tuco Marine Groupによってデンマークで建設され、制御システムはMaritime Roboticsによって提供されています。2023年の末までに5艘の新しいUSVを製造予定です。