社名「オーステッド」の由来

電磁気から洋上風力発電へ 


今日のオーステッドに至るまで、その背景には化石燃料から再生可能エネルギーへの変革と発展の歴史があります


約200年前、物理学者のハンス・クリスティアン・オーステッド(Hans Christian Ørsted)が電磁気を発見し、現代の発電の基礎を築いたことが私たちの原点となっています。 

ハンス・クリスティアン・オーステッドの画期的な発見は、彼の好奇心や情熱、自然への興味から生まれたものであり、このような精神性は私たちに深い感銘を与えてきました。さらにデンマークには100年以上の歴史を持つオーステッド発電所があり、私たちにとってその名前は、昔から耳馴染みのあるものでした。「グリーン・エネルギーのみで稼働する世界」への象徴として、ハンス・クリスティアン・オーステッドの「オーステッド」が現社名の由来となったのです。


化石燃料から再生可能エネルギーへ

オーステッドの変革の始まりは、1973年におきたデンマークの石油危機から始まります。中東からの石油依存を脱却し、北海の石油や天然ガス採掘に注力するため、デンマーク政府は、デンマーク石油・天然ガス会社を設立しました。

国内でのエネルギー自給をさらに確実なものとするため、政府は国営の洋上風力発電事業の発展を図り、1991年には世界初の洋上風力発電所を開始しました。ビンデビー洋上風力発電所は11基の風力タービンを所有し、デンマークの2200世帯が一年間に消費するエネルギーをの供給を可能としました。 

1998年、デンマーク政府は150MWの洋上風力発電所をさらに5施設開発する計画を発表し、風力発電の開発は順調に進められていきました。政府は電力とガスの自由化も同時に進め、DONG(デンマーク石油・天然ガス会社)はデンマークのエネルギー会社である「Elsam」、 「Energi E2」、「Nesa」、「Københavns Energi」そして「Frederiksberg Forsyning」と合併しました。 

合併前は「石油とガス」だけを象徴していた社名が変わったことにより、「DONG Energy」はより多岐にわたる「エネルギー会社」へと進化しました。 

2008年には化石燃料から再生可能エネルギー会社への移行計画を発表し、デンマークと海外における洋上風力発電所の開発と建設への大規模投資を開始しました。同時に、自社の石炭やガスの火力発電施設を、持続可能なバイオマス発電所施設へと切り替え始めました。 

再生可能エネルギー事業に注力することで、DONG Energyは世界で最も急成長しているエネルギーグループの一つとなりました。そしてさらなる事業拡大のため、2016年には証券取引市場への上場を果たしました。 

グリーン・エネルギー事業に完全に専念するため、石油・ガス事業を2017年に売却したことで、社名「DONG Energy」に別れを告げることになります。再生可能エネルギー事業への転換に際し、石油・天然ガス事業に起源を持つ「DONG Energy」は、もはや私たちの本質から外れた社名となってしまったのです。 

このような経緯を経て2017年10月30日、現社名「オーステッド(Ørsted)」が誕生しました。 

 「ハンス・クリスティアン・オーステッド(Hans Christian Ørsted)」について

ハンス・クリスティアン・オーステッドは、1777年にデンマークのルーケベング(Rudkøbing)で生まれました。彼は薬理学を学び、1797年にはトップの成績で卒業しました。1806年には物理学の教授となり、主に実験物理学を教えていました。 

ハンス・クリスティアン・オーステッドは新たな物理法則を追求し、自然の力を利用した数々の実験を経て、1820年にはついに電磁気の発見をしました。この発見は彼の最も有名な功績とされており、発電分野などの技術的進歩を生み出す礎となりました。 

ハンス・クリスティアン・オーステッドは常に新たな知識を追い求めていました。彼は自然科学やその発展が、人々の生活にとってどれだけ重要であるのかに気がついていました。その結果、初代学長を務めた「Den Polytekniske Læreanstalt」(現デンマーク工科大学)を始めとする数々の自然科学会の結成において、重要な役割を果たすこととなりました。 

彼は私たちが生きる現代社会への扉を開きました。彼の好奇心や情熱、そして自然への興味は、私たちが目指す「グリーン・エネルギーのみで稼働する世界」の実現に必要不可欠なものとして、現代へと繋がっています。 

世界で最もサステナブルなエネルギー企業

「世界で最もサステナブルなエネルギー企業」、3年連続受賞

欧州で最も炭素集約度の高い電力会社のひとつであった私たちオーステッドは、わずか10年の間に、3年連続で「世界で最もサステナブルなエネルギー企業」にランキング入りされるまでになりました。