オーステッドとESVAGT、メタノール燃料船について2度目の契約を締結

2024年、オーステッドとESVAGTとの画期的な合意により、世界初の洋上風力発電整備用のグリーン燃料船が英国東岸沖に投入されます。現在、両社は2隻目のグリーンサービスオペレーション船に関する契約を締結し、洋上風力発電におけるパートナーシップを拡大しています。
オーステッドとESVAGTは、2022年に発表された世界初のメタノールで航行するサービスオペレーション船(SOV)の姉妹船に関する契約を締結し、洋上風力発電のサプライチェーンからの二酸化炭素排出量削減に対する両社の取り組みをさらに強化します。このSOVは2026年に進水の準備が整い、10年契約でオーステッドの英国東岸沖ハブから運行されます。

新型SOVはデュアル燃料エンジンを搭載し、再生可能エネルギーとバイオマスから生産されたe-メタノールでの航行が可能で、年間約4,500トンの二酸化炭素排出量削減につながります。オーステッドは、スウェーデンにある再生可能e-メタノール生産施設、FlagshipONEへの欧州最大規模の最終投資決定を行い、グリーンな海上燃料の分野におけるパイオニアとしての地位を確立しました。オーステッドは、2隻のSOVに自社製のメタノールを供給する予定です。他の海運会社数社からもメタノール燃料船の発注があり、グリーン燃料への需要が急速に高まっていることを示しています。

洋上風力発電所は、生産、建設、設置を含む資産の全寿命期間において、石炭火力発電所よりも二酸化炭素排出量が99%少ないことが分かっています。オーステッドは、2025年までにエネルギーの生産と運用においてカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)を達成することを目標としています。2隻目のグリーン燃料で航行するSOVは、オーステッドが取り組む「2040年までにバリューチェーン全体で二酸化炭素排出量実質ゼロを目指す」という科学的根拠に基づく目標を達成するためのものです。

オーステッド ヨーロッパ事業責任者 マーク・ポーター コメント
「洋上風力発電の世界的リーダーとして、オーステッドは化石燃料に代わる最良のグリーンエネルギーを探し続けます。e-メタノールはSOVと相性が良く、ESVAGTと共に2隻目のメタノール燃料船を間もなくわれわれの船隊に迎えられることを大変うれしく思います」

ESVAGT チーフ・ストラテジー&コマーシャル・オフィサー ソーレン・カラス コメント
「この画期的な事業で、オーステッドとの協力関係を拡大できることをうれしく思います。洋上風力発電向け海洋サービスの世界的リーダーとして、ESVAGTは低炭素リューションを提供するため、技術革新に継続的に注力しています。メタノールを燃料とする初のSOVを市場に送り出すことを楽しみにしています」

オーステッドは、航路の最適化や省燃費速度での航行など、効率化の取り組みを通じて、洋上ロジスティクスからの排出量を削減するための体系的なアプローチを実施しています。オーステッドはまた、燃料効率を高めるために、軽量のハイブリッド乗組員輸送船を導入しました。さらに、オーステッドは業界をリードする取り組みに従事しており、風力発電所のネットゼロ化に向けて、操業、建設、製造にわたり低炭素ソリューションを追求するためにパートナーやサプライヤーと協力します。

過去2年間で、オーステッドはグリーン燃料プロジェクトの多様なポートフォリオを構築しました。そのうちの三つは海上輸送用のe-メタノール生産を中心としたものです。このポートフォリオには、建設中のスウェーデンのFlagshipONEも含まれ、2025年から年間5万トンのe-メタノールを生産する予定です。その他のプロジェクトとしては、米国メキシコ湾岸の「Project Star(プロジェクト・スター)」があり、A.P. モラー・マースクのゼロエミッション燃料による船舶向けに30万トンのe-メタノールを供給する予定です。また、コペンハーゲンの「Green Fuels for Denmark(デンマークのためのグリーン燃料)」プロジェクトでは、オーステッドが海運を含むデンマークの大手重輸送業者と協力しています。

補足:洋上風力発電向けの浮かぶ家
洋上風力発電所の整備には多大な労力を要します。高度で専門的なサービス技術者チームが担当しますが、彼らは一度に何週間も洋上にいることも少なくありません。洋上に滞在する間、技術者たちはサービスオペレーション船(SOV)で生活します。SOVは、洋上風力発電所の整備に必要な機器やスペアパーツの多くを備えた船上ワークショップも兼ねています。

最新鋭のESVAGTのSOVには最新技術が導入されており、ESVAGTの乗務員は高度な訓練を受け、デジタルツールを活用しています。SOVは快適さと高い作業性を考慮して設計されています。モーション補正機能付きの通路や移動用ボートにより洋上風力発電所で技術者が安全に移動でき、重いスペアパーツをつり上げるクレーンも用意され、効率性の高い作業スペースとなっています。この「浮かぶ家」には、フィットネス施設、ゲームルーム、映画館、個人の宿泊施設などが整備され、船内の乗組員や技術者は洋上でレクリエーションも楽しめます。また、SOVにはヘリポートが装備されており、陸上との迅速な往復も可能となっています。


船舶ファクトシート
主な特記事項:
全長: 93.00m
幅: 19.60m
最大喫水: 6.50m

スピード:約14ノット
宿泊施設:124人用
ヘリデッキ:径=18m/9T
 

詳細については、下記までお問い合わせください。

オーステッド・ジャパン mkirt@orsted.com

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