世界自然保護基金(WWF)とオーステッド、新たなグローバル・パートナーシップを締結

気候変動と海の生物多様性に関するアクションを統合、COP27にて共同でイベント開催

世界自然保護基金(以下、WWF)とオーステッドは、気候変動と海洋生物多様性の損失に対するアクションを一体的に行い、再生可能エネルギーへの迅速な移行を支援しながら差し迫る世界的な生物多様性の危機に対するソリューションを開発する、先駆的なパートナーシップを締結します。

COP27を目前に控え、世界の指導者たちは、気温上昇を産業革命前と比較し1.5度以内に抑えるために、温室効果ガスの排出を削減すると同時に化石燃料依存から脱却でき、かつコスト競争力がある洋上風力などの海洋ベースの気候変動対策に期待しています。海が有する二酸化炭素の吸収量は気候変動の緩和の力となりますが、残念ながら海洋の健康状態は良好とはいえません。次世代に託す環境に責任をもつ現世代が、この状況を変えるために、海と気候変動の関わりの中からもソリューションを探らなければなりません。

世界で自然保護を主導するWWFと、世界で最も持続可能なエネルギー企業であるオーステッドは、本日、生物多様性に対してネット・ポジティブ・インパクトを与えながら洋上風力を推進し、気候変動と生物多様性に対するアクションを統合した、5年間のグローバルパートナーシップを締結します。オーステッドとWWFは共同で、自然との調和だけでなく、生物多様性を豊かにする洋上風力の導入構想やアプローチを特定し、これらを開発・提唱していく予定です。

2030年までに、世界の洋上風力発電の設備容量は現在と比較して5倍以上に増加すると予想されています。洋上風力発電は、温室効果ガス排出が問題視される化石燃料に代わる、環境に配慮したエネルギー手段として期待されています。

統合的なアプローチ
洋上風力発電の導入は、正しい方法で行えば、自然に備わるレジリエンス(適応力・回復力)が、発電設備の周囲の海洋の生物多様性をより豊かにし、ネット・ポジティブの影響を生み出すことができます。

ネット・ポジティブ実現のために、パートナーシップでは以下を行います。

  • 海洋の生物多様性を改善し、生物多様性へのネット・ポジティブ・インパクトを達成するため、具体的かつ革新的な取り組みを行う。
  • 洋上風力に関わる政策に、生物多様性に関する要件を導入する方策を、科学情報に基づいて提言する。
  •  海洋の自然保護・回復および脱炭素社会実現に向けて、海の利用者と海を保全する立場の人々を結びつけ、共通のビジョンをもとに活動する。

WWFインターナショナル事務局長のマルコ・ランベルティーニは、「自然環境の喪失と気候変動は、相互に深く関連した危機です。洋上における再生可能エネルギーのインフラが海洋の生物多様性に影響を与えることのない新しい解決策を加速させるために、オーステッドとWWFの協力を推進できることは喜ばしいことです」と述べています。

オーステッドの最高経営責任者(CEO)であるマッズ・ニッパーは、「各国政府は、化石燃料への依存をなくし、世界に持続可能な電力を供給するために、洋上風力発電所の建設を加速させる準備を進めています。洋上風力は、正しい方法で行われれば、海洋の生物多様性を高め、自然環境を全体的により良い状態に保つことができ、それによって、気候変動と生物多様性の両方の危機に対処することができます」と述べています。

過去15年間で、オーステッドは化石燃料事業中心のエネルギー会社から、再生可能エネルギーのグローバル・リーダーへと変貌を遂げました。オーステッドは、2025年までにエネルギーの生成と運用においてカーボンニュートラルを達成し、温室効果ガスの排出強度を2006年比で少なくとも98%削減することを目指しています。2021年には、2040年までにバリューチェーン全体でネットゼロ排出を達成するという目標をScience Based Targetsイニシアチブによって承認された世界初のエネルギー企業(世界における7社のうちの1社)となりました。

再生可能エネルギーの導入を通じて確実に自然環境をより健全な状態に保つことができるように、オーステッドは遅くとも2030年以降に稼働するすべてのエネルギー事業において、生物多様性にネット・ポジティブの影響を与えるという業界をリードする目標を掲げています。この目標は、設置に伴う影響の軽減、プロジェクト設計の改善、材料のサステナビリティなど、これまでの工夫と努力をさらに高みに引き上げるものです。例えば、タイセイヨウセミクジラのような絶滅危惧種を保護・保全するためのモニタリングシステムの導入などが目標達成のための活動に含まれています。

新たなソリューションの必要性
政府、NGO、企業が相互に協力しながら、気候変動と生物多様性の損失、両方に対する対策を両立・補完しつつ、取り組みを推進する必要があります。

重要課題のひとつは、自然保護の強化と洋上風力発電の拡大の両立に向けての、海洋でのスペースの確保です。そのためには、海洋空間計画に対する新しい革新的なアプローチが必要です。本パートナーシップを通じて、気候変動と生物多様性の目標の統合について考え、その達成計画を立てる方法を前進させるために必要な国際的な議論と協力を推進します。この活動を開始するにあたり、オーステッドとWWFはCOP27での共同イベントにおいて第一線の専門家を招き、最善の方法について議論する予定です。このパートナーシップの一つの目標は、将来の世界中の洋上風力発電事業の中で、自然保護や生態系の回復の活動も実施されるようにすることです。

海洋生態系の再生のベストプラクティスモデルの構築
このパートナーシップの中の一つの取り組みとして、北海での海洋生態系再生プロジェクトを行います。本プロジェクトは、海洋生態系に貢献する新しい手法や技術を開発しながら、生物多様性のネット・ポジティブに貢献する洋上風力の展開を考えていきます。

この復元プロジェクトは、北海の在来種のカキ(ヨーロッパヒラガキ)とハマグリ(エゾヒバリガイ)を再繁殖させるもので、これらの種が形成する岩礁が他のさまざまな生物に生息地を提供することから、重要な生態系構築種と考えられています。

5年間のパートナーシップの間に提供されるソリューションは、オーステッドの2030年の生物多様性目標と、WWFがめざす2030年までの生物多様性の損失の停止と回復の実現をともにサポートすることになります。

このグローバル・パートナーシップは、オーステッドとWWFデンマークによって締結されました。

<生物多様性の役割>
生物多様性は、世界の生命維持システムであり、驚くべき速さで失われています。WWFの最新の『Living Planet Report』では、1970年以降、世界の哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、両生類の個体数が平均68%減少していることが明記されています。気候変動によって、重要な生態系や野生生物が温暖化の影響により大きな打撃を受け、自然の喪失を加速させています。エネルギー転換は、これらの相互に関連する危機に対処するための焦点となる施策です。

<生物多様性へのネット・ポジティブの影響>
生物多様性へのネット・ポジティブの影響とは、気候変動と生物多様性の二重の危機から脅かされている生物多様性を強化し、生態系を回復するために、避けられない影響を最小限に抑え、軽減し、積極的な措置をとることで、測定可能な貢献をすることを意味します。

詳細については、下記までお問い合わせください。

オーステッド・ジャパン mkirt@orsted.com

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