オーステッド、「サスティナビリティ報告書2020」を発行 グリーン・エネルギーだけで稼働する持続可能な世界を構築するための取り組み

再生可能エネルギーの世界的リーディングカンパニーであるオーステッドは、「サスティナビリティ報告書2020」を発行しました。持続可能なグリーン・エネルギーだけで稼働する世界を迅速に構築するため、エネルギー業界が取り組むべき課題についてオーステッドの見解を示しています。
地球温暖化による環境や人類を含む生物への影響が懸念されており、日本を含む多国間で締結されたパリ協定では、世界の気温上昇を産業革命前の1.5度に抑制する目標が設けられています。そのためには炭素排出量を半減させ、グリーン・エネルギーの構築を加速させることが不可欠です。オーステッドは過去10年間に、化石燃料をベースとするエネルギー企業から、グローバルな再生可能エネルギー企業へと変革を図ってきました。それによって、2025年までに自社でのエネルギーの生成と運用においてカーボンニュートラルを達成する見込みです。オーステッドは化石燃料から転換し、カーボンゼロを達成する世界初の大手エネルギー企業となります。

さらに、オーステッドは戦略的サプライヤーと緊密に連携し、自社の壁を越えた脱炭素化を進めています。天然ガスの卸売りや仕入れを段階的に廃止するとともに、サプライチェーンを脱炭素化することによって、2040年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロとすることを目標に掲げています。

オーステッドはこれらの計画を実行するとともに、持続可能なグリーン・エネルギーを構築するうえで特に重要な以下の3つの課題を設定し、計画的かつ体系的なアプローチを通じて優先的に取り組んで行きます。

  • サプライチェーンの脱炭素化
    カーボンゼロ世界を実現するためには、再生可能エネルギーのバリューチェーン※1をグリーン化し、サプライチェーンを脱炭素化することが必要不可欠と考えます。
  • 生物多様性保護の推進
    陸上と海上で再生可能エネルギーを構築するにあたり、生物の生息環境や在来種への影響を管理することが可能な、より計画的で徹底された対策を実行します。
  • 地域社会とともに共有価値を創造
    地域社会とより多くの利益を共有できる方法で、グリーン・エネルギーの普及を促進し、共有価値を創造します。

また、オーステッドは自社のビジネスに影響を与える、そのほかの差し迫った持続可能性の課題にも取り組んできました。「サスティナビリティ報告書2020」では、オーステッドのビジネスとステークホルダーにとって重要な持続可能性の課題を特定して対処するために、5段階の主要な活動フェーズについても詳細に説明しています。これら5段階の活動は、1.マッピング、2.優先順位付け、3.アンカー(優先テーマの組織運営・管理への組み入れ)、4.開発、5.実施と報告であり、それによって会社のパフォーマンスと長期にわたる価値創造が支えられています。

オーステッドの最高経営責任者であるマッズ・ニッパーは次のように述べています。「カーボンゼロの世界を実現するためには、世界が一体となってこれまでにない規模で体系的に変革する必要があり、今すぐに行動を起こすことが重要です。人類は、再生可能エネルギーによる発電を大幅に強化及び拡大し、化石燃料による発電の段階的廃止を加速して、社会全般にわたってエネルギー効率を高め続ける必要があります。しかし、再生可能エネルギーの導入を本格化しても、その持続可能性に関する大きな課題が出てきます。持続可能性を追求するためには、自社の実践を共有し、他社と対話することによって互いを向上させ続けることが必要です。そのため、「サスティナビリティ報告書2020」では前年の報告書よりも当社の持続可能性へのアプローチを詳細に説明しています」。

「持続可能性レポート2020」: https://orsted.com/sustainability2020


<2020年におけるオーステッドの持続可能性に関する実績>
オーステッドは、地球温暖化を1.5℃までに抑制することは持続可能社会の実現にとって不可欠とする科学的論拠に従い、世界で炭素排出量削減目標を掲げた初のエネルギー会社のひとつです。これらの削減目標は、2020年にScience Based Targetsイニシアティブ(SBTi)によって認定されています。そのほかの持続可能性に関する昨年のハイライトは下記のとおりです。
  • 2006年と比較して、エネルギー生産における炭素強度※2を87%削減しました。2025年までに98%の削減を達成することを目標としています。
  • 生産したエネルギーの90%において再生可能エネルギー源を活用しました。2025年までに99%に拡大します。
  • 2018年と比較し、天然ガスのサプライチェーンと卸での売買における炭素排出量を13%削減しました。2032年までに50%を削減する目標としています。
  • 洋上・陸上風力発電および太陽光発電設備を通じて、設備容量9.3GWの再生エネルギーによる発電を実現しています。
  • 当社保有のグリーン・エネルギー生産資産によって、年間1,310万トンの二酸化炭素排出を回避しました。
  • オーステッドのサプライチェーン脱炭素化プログラムの一環として、洋上風力における28社の主要な戦略的サプライヤーのうち26社が炭素排出量をCDP※3に公開しました。
  • 分野横断的なイノベーションによって鉄鋼の脱炭素化を推進するため、Climate GroupのSteelZeroイニシアティブを共同で設立しました。
  • 気候変動への取り組みにおいて、2年連続でCDPから「Aリスト企業」に選定されました。
  • コーポレートナイツ社の2021 Global 100インデックスにおいて、世界で最も持続可能なエネルギー企業に選定され、全業界で二番目に持続可能な企業としてランクインしました。

※1 バリューチェーン:製品の製造や販売、それを支える開発や労務管理など、すべての活動を価値の連鎖として捉える考え方を指し、競合と比較して強みと弱みを分析し、事業戦略の改善策を探るフレームワーク。
※2 炭素強度:ここでは再生可能エネルギー生産の過程で排出する二酸化炭素量を指します。
※3 CDP:2000年に発足したロンドンに本部を置く国際非営利団体。世界主要企業、国家、都市などによる環境への影響を管理するための情報開示システムを運営。企業の環境活動に関する情報を収集・分析・評価し、これらの結果を開示しています。

詳細については、下記までお問い合わせください。

オーステッド・ジャパン mkirt@orsted.com

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